治安の悪さから、まず旅行者は訪れないであろうグアテマラシティー。
そんな場所に数年間住んでいました。
- 強盗・殺人事件多発!
- 自宅マンション前で麻薬の抗争が起こった!
- 近所のスーパーで人が撃たれて死亡・・(-_-;)
- 現地の知り合いは、1年間でなんと5回も強盗に遭った!
挙げてみればキリがないほど危険ネタばかり。
でも、住んでみるとなかなか良い所だったんです。
そんなグアテマラシティーですが、2013~2015年に撮った写真を、解説付きでUP。
※最初にグアテマラ全体の説明も簡単に書いていますが、街の写真だけササっと見たい方は、目次の「高級住宅街はまるでゴーストタウン!?」からどうぞ。
(下へ続く)
グアテマラってどこにあるの?
まずは、グアテマラって何?どこ?って方のために。
グアテマラは、メキシコのすぐ下に位置している中米の国で、国土の北東はカリブ海、南は太平洋に面しています。
(wikimedia commonsより)
グアテマラの言語、人口、人種は?アジア系はどのくらいいるの?
- 【人口】:約1,436万人。
- 【面積】:109,000平方キロメートル(日本の北海道と四国をあわせたくらいの広さ)
- 【公用語】:スペイン語
-
【人種】:国民の半数以上はマヤ系先住民。メスティソ(
欧州系と先住民の混血)・欧州系、アジア系もいます。
アジア系はマイノリティー。地方に行くとまるで芸能人!?
グアテマラでは、アジア系は圧倒的に韓国人が多く、繊維産業や、飲食、食料店を営んでいる方々が大半です。
チャイナタウンはありませんが、コリアンタウン的な場所はあります。
日本人は圧倒的に少なかったですね。
アジア系自体がマイノリティーなので、田舎の方に行くと珍しがられて、芸能人でもないのに知らない人から「一緒に写真撮って」と言われることが多々ありました(笑)。
首都のグアテマラシティーは都会なので、そんなことはなかったです。
一度住んだらクセになる!常春グアテマラの気候
(3月頃に咲くハカランダの花 –Jacaranda:スペイン語読みでハカランダ)
首都グァテマラシティーは、標高1,502m、年平均気温19度と快適な高原気候で、
「常春の国」とも呼ばれているほど。
空気はカラっとしていて、暑すぎもせず、寒過ぎもせず、本当に過ごしやすい気候でした。
その気候に一度慣れてしまうと、日本の蒸し暑い夏や、極寒の冬はもはや拷問レベルです・・・!
グアテマラといえばコーヒー!
グアテマラの土地と気候は、コーヒー栽培に適しており、有名な8つの産地があります。
日本で購入すると数倍はしそうなコーヒー豆がスーパーで安く手に入りますよ。
ちなみに、ウエウエテナンゴという銘柄は、片桐はいりさんのグアテマラの弟を読んで知りました。
個人的には、酸味のあるウエウエよりも、まろやかなアンティグアのほうが好きです。
グアテマラシティーってこんなところ。
地区によって街並みも人の雰囲気もガラリと変わる!
(wikipwdiaより、首都は25の地区に分かれている)
グアテマラシティーは25のZonaから構成されています。(Zona:スペイン語で「ソナ」と読み、地区の意味)
地区によって特色があり、ほんの一例ですが、
- Zona1は、旧市街
- Zona10は観光ホテルや飲食店が多く、おもに観光客が訪れる場所で白人系多め。
- Zona14は、高層マンションが多い閑静な住宅街
- Zona18は、現地の人も足を踏み入れないと言われているほど治安が悪い危険な地区
といった具合です。
↓こちらは、高台から撮影したグアテマラシティー。
高級住宅街は、まるでゴーストタウン!?
こちらはZona14のようす。
数年前の写真なので、現在はマンションがさらに増えています。
Zona14はこのようなマンションが多く、マンションは必ず塀に囲まれており、銃を持った警備員が常駐しているのが普通。
各国大使館があり、駐在の外国人が多く住んでいる地区です。
もちろんグアテマラ人も住んでいますが、この地区に住んでいるのはその中でも富裕層が多い印象でした。
屋根の低い建物は一軒家で、たいてい大きな庭やプール付き。
閑静な住宅街、といった雰囲気ですが、治安上、平日外を歩いている人はほとんど見かけません。
昼なのに、まるでゴーストタウン・・!
トルティーヤ売りのおばちゃんが昼頃になると現れて、労働者や、お手伝いさんらしき人々が買いに来るのをよく見かけました。
歩行者天国になると人がたくさん出てくる!
写真は日曜日のLas Americas 通りのようす。
治安上、普段は車での移動が多く、平日に街を歩いている外国人はまず見かけません。
反対に、日曜日の歩行者天国は警備員で守られているため、人で大賑わい。
ジョギングする人、犬の散歩をする人、マウンテンバイクに乗る人・・・思い思いに過ごしています。
食べ物の露天もたくさん出ていて、オーガニックの日には、野菜やナチュラル系の製品を売っているのもよく見かけます。
トルティーヤの屋台。
焼いた肉とアボカドを挟んで食べると絶品!
オレンジの生絞りジュース屋さん。
グアテマラのオレンジ美味しいんです!
アイス屋さんもいます。
マフィア管轄の赤バス!?
通称「赤バス」。
ローカルの大事な交通手段です。
実はこれ、マフィアに牛耳られている強盗頻発のバスなので、治安上、在住外国人はまず乗りません。
現地の人でも、富裕層や安全意識の高いグアテマラ人は絶対に乗らないです。
ちなみに、この赤バス、ルートは決まっているようですがバス停は特に存在しません。
乗りたい人が道路脇で待っていると、停まってくれます。
Q1(1ケツァール:約16円)で乗車できます。
緑のトランスメトロは市営バス
こちらは、市営の路線バス「トランスメトロ(Transmetro)」。
専用の道路があって、市内には路線の駅が整備されています。
このバスは、各駅に警備員が配置されているため、前述の赤バスより比較的安全と言われています。
中でwifiができる車両もあるんですよ。
ちなみに、トランスウルバノ(Transurbano)という青いバスも市営です。
車に乗りながら路上で買物ができて便利!
路上でガムを売るおじさん。
どうやって買うかというと、車の窓を開けてやり取りします。
しかも、このガムは1粒から買うことができるんです。
グアテマラの独立記念日が近くなると、路上で国旗も売っています。
大きさも大小さまざまで、国旗を車に付けて運転している人もいました。
グアテマラの人たちの愛国心はすごいです。
路上で花束も売っています。
この他には、バナナやマンゴー、ランブータン、マッシュルーム、生のエビ、アイロン台までも路上で売っているのを見たことがあります!
渋滞で停車することが多いシティーでは、これはかなり便利なシステム。
例えば、
バナナだけ買うのにわざわざスーパーまで行かなくても、車から路上で購入できてしまいます♪
鉄格子でびっしりガードされた路面店!
この写真のように、グアテマラではフライドチキンのお店がたくさんありまして、Pollo Campero(ポヨカンペーロ)というチェーン店が一番有名です。
グアテマラの鶏肉は、日本のものよりも柔らかくて美味しいです。
ところで、
このお店、どうして鉄格子があるのか分かりますか?
防犯対策のためなんです。
この鉄格子の間から、お金や品物のやり取りをします。
強盗に押し入られないための工夫ですね。
このような鉄格子でガードされたお店がたくさんあります。
まるで牢屋みたいな外観・・・!
逆に、鉄格子が無い地域は「安全度が高い」という見方もできます。
どこに行っても銃!銃!銃!!
おそらく、これは現金輸送車。
このような係員は必ず銃を携帯しています。
大型モールやレストランにも大きな銃を携えた警備員がいるのが当たり前。
逆に、銃を持っていない警備員のいる場所は安全面で「不安」に感じることも・・・
それだけ治安が悪いということなのでしょうが、グアテマラでは、何でもないごく普通の風景です。
大きなイベントになると、重装備のポリシア(警察)出現。
銃の大きさがやけに気になる!
現金引き出しに便利な「銀行ドライブスルー」
(銀行のドライブスルー。透明のチューブの中でカプセルを飛ばして現金や小切手のやりとりをする。/ 筆者撮影)
ドライブスルーの銀行は車を降りずに現金を引き出せます。
やりとりは簡単。
透明のチューブの中に小切手などを入れたカプセルをセットしてスイッチを押すと、銀行の係員のところまでそのカプセルが飛んでいくしくみ。
係員は現金をカプセルに入れて、透明チューブ経由で顧客のいるレーンまで飛ばします。それを受け取ってやり取りは終了。何かあればインターホンで係員と会話もできます。
もちろん、このドライブスルーにも銃を持った警備員が常駐しています。
トラック荷台は人もフルーツも美女も何でも積み込む!
グアテマラでは、ピックアップと呼ばれる後ろに荷物が載せられるトラックが大人気!
物だけでなく、こんな感じで、人も過剰積載しちゃってます。
これもグアテマラでは普通の風景。
こちらは、うまい具合にパイナップルが積まれています。
紐で固定していないのに、1つも落ちないのが不思議!
パイナップルだけでなく、他のフルーツや野菜を積んでるバージョンもよく見られます!
美女も荷台に乗せちゃってます。
これは、HONDAのバイクをキャンペンガールが宣伝しながら走行している図。
この宣伝方法、逆に斬新!?
日本だったら安全面とかで速攻NGでしょうね・・。
一度住むと価値観が変わるかも?
日本でスマホ見ながら道を歩くのが普通な私たちからすると、治安的にはまるで異世界なグアテマラシティーの様子が伝わったでしょうか?
いろんな意味で驚きの連続なグアテマラシティー。
小さいことにこだわらないラテンアメリカ特有のゆる~い雰囲気もあって、これに慣れると日本が何だか窮屈に感じることも。
そんな不思議な魅力を持ったグアテマラの紹介でした!