(写真:グアテマラ、アンティグアのセマナサンタ風景)
毎年、3月~4月の間にセマナサンタ(聖週間)、英語ではイースターの時期があります。
普段、日本で暮らしていると、ほとんど関係のないイベントとなってしまうのですが、
世界では、様々なイースターイベントが行われます。
とりわけ、「セマナサンタ」と呼ばれるスペイン語圏のイースターはとても美しく、一見の価値ありです。
一生に1度は見ておいて損はない!と言っても過言ではない「セマナサンタ」を紹介します。
Contents
セマナサンタの時期はいつ?毎年日付が変わる理由は?
2019年は、4月21日が復活祭にあたりますので、4/14~4/21がセマナサンタの期間です。
セマナサンタ(イースター/ 聖週間)は、毎年日付が変わる移動祝日。
というのも、復活祭の日にちは、「春分の日の後の最初の満月の次日曜日」とされています。
復活祭当日は、必ず日曜日に当たりますが、日付は毎年ずれることになります。
また、復活祭当日からさかのぼって1週間の間を「セマナサンタ(聖週間)」と呼びます。
西方教会(カトリック、プロテスタント等)と東方教会(ギリシャ、ロシア正教など)では日付の定め方に違いがありますが、
セマナサンタ観光でよく訪れるスペインや、ラテンの国々は西方教会の日付です。
年 | 西方教会 | 東方教会 |
2018年 | 4月1日 | 4月8日 |
2019年 | 4月21日 | 4月28日 |
2020年 | 4月12日 | 4月19日 |
2021年 | 4月4日 | 5月2日 |
2022年 | 4月17日 | 4月24日 |
セマナサンタってどういうもの?
一言で説明すると、「キリストの受難を記念するお祭り」です。
キリストがエルサレムに入り、磔にされ、亡くなって復活するまでの最後の1週間を「セマナサンタ(聖週間)」と呼びます。
その1週間には、それぞれ曜日ごとに名前が付けられています。
セマナサンタ 曜日ごとの呼び名
- 聖枝祭=日曜(Domingo de Ramos)※聖日曜とは呼ばれていないようです。
イエスがエルサレムに入城した日。人々がヤシの葉や、オリーブの枝を道に敷き歓迎したことに由来。
- 聖月曜日(Lunes Santo)
宮清めの日。神殿で商売をして利益をむさぼっていた露店主たちを、イエスが追放。
- 聖火曜日(Martes Santo)
論争の日。イエスに反感を抱く宗教指導者たちが、難問奇問をぶつけたが、イエスは難なく論破。
- 聖水曜日(Miércoles Santo)
香油の日。論争で疲れたイエスが村で休んでいると、マリアという女性が高価な香油をイエスの足に注いだ。
- 聖木曜日(Jueves Santo )
最後の晩餐日。ユダに裏切られる。また、へりくだりの行いとして、イエスが弟子たちの足を洗ったことから、洗足木曜日とも言われる。
- 聖金曜日(Viernes Santo)
受難の日。イエスがゴルゴダの丘で十字架にかけられた日。
- 聖土曜日(Sábado Santo)
安息日。イエスの遺骸が墓に安置された日。
- 復活祭=日曜(Domingo de Resurección)
イエスの復活を祝う日。十字架にかけられ亡くなったはずのイエスが生き返った日。
セマナサンタ時期の混雑状況は?
セマナサンタの時期は、会社や学校が連休となります。
分かりやすくいえば、日本のゴールデンウィークのような感じで、どこも大混雑。
この時期のホテル料金は高いうえに、早くから予約しておかないとすぐに満室になってしまいますので、
セマナサンタ時期に観光をする場合は、早めに準備することをおすすめします。
また、このイベントで一番の盛り上がりが見られるのは「受難の日」である聖金曜日!
セマナサンタは1週間もあるので、観光するのなら金曜日がおすすめです。
セマナサンタの見どころは?
聖体行列がすばらしい!
(写真:グアテマラ、アンティグア。キリスト像を運ぶ男性たち。)
セマナサンタの見どころは、何といっても宗教行列!
この宗教行列は、スペイン語でProcesión(プロセシオン)と呼びます。
キリストやマリア像を乗せた、大きな神輿を信者たちが担ぎながら、大聖堂へ向かいます。
グアテマラのアンティグアで、この行列を見ましたが、
荘厳な雰囲気の中で、右に左にと揺れながら神輿を担いで進んでいきます。
カラフルな絨毯に注目!(グアテマラのセマナサンタ)
(写真:グアテマラ、パナハッチェルにて)
(写真:グアテマラ、アティトラン湖畔のサンタ カタリーナ パロポにて)
グアテマラでは、セマナサンタの時期になると路上にカラフルな絨毯が作られます。
スペイン語では、これをAlfombra(アルフォンブラ)と呼びます。
文字通り「絨毯」という意味の単語。
この絨毯は、色を付けたおがくずでできているのですが、花や野菜、フルーツの装飾で立体感が出てとてもきれいです。
こんなに美しいのに、行列が真ん中を通るので、一瞬にしてぐちゃぐちゃに壊されてしまいます。
作るのは時間がかかるのに、終わるのは一瞬なところがドミノ倒しに似ているなと思ったりしました。
国によって、やり方や衣装などに大きな違いがある!
(写真:スペインの聖行列のようす。引用:spain.info)
一方、スペインのセマナサンタで特徴的なのは、尖がった覆面帽子をかぶっているところ。
このとんがり帽子の集団が列を成しているのは圧巻ですね。
国によって雰囲気が全く違うのも面白いです。
また、グアテマラでは、マリア像は女性が運び、キリスト像は男性が運んでいましたが、
スペインでは男女による振り分けはないようです。
カラフルな絨毯(アルフォンブラ)も、スペインでは見られません。
さいごに
実は、現地ではクリスマスよりもセマナサンタのほうが盛り上がるイベントなんです。
クリスマスは家族と一緒に過ごす行事のため、この時期の街は普段よりも活気がありません。
一方、セマナサンタは、外で行う宗教行事なので、前述したように観光客が押し寄せ、街がにぎやかになります。
日本では体験できないセマナサンタ、機会があれば是非訪れてみるのをオススメします!